丸大豆と丸くない大豆の醤油の違い。本物の調味料を食卓に

「ねえ、お母さん 四角い大豆ってあるの?」

という言葉から始まる四コマ漫画が下の本に載っている。


「食事」を正せば、病気、不調知らずのからだになれる ふるさと村のからだを整える「食養術」(秋山龍三、草野かおる 著)

それに対して、「大豆って豆だから丸いに決まってるし」とお母さんはつっこむ。娘さんは、「丸大豆しょう油」というものがテレビで宣伝されていたと言う。

そう言われてみると、たしかに…「丸大豆」と商品に書かれているのを見たことがあるが、わざわざ「丸」を付けるのはなぜだろう?

本を読み進めると、市場に出回っている安い醤油は「丸くない」大豆からつくられていることが説明されている。

本来、醤油というものは、大豆、小麦、塩、麹、水を使って発酵・熟成させてつくられ、もちろん大豆は「丸い」。

ところが、昨今の一般的な安価な醤油は、大豆から油を搾った残りかす(脱脂加工大豆)からつくられているという。この搾りかすは、もちろん「丸く」ない。

伝統的な醤油づくりでは、木の樽で1年以上天然発酵・熟成させるというが、この搾りかす(脱脂加工大豆)を強制的に発酵させると1カ月もかからずに醤油(もどき?)ができるらしい。とはいえ、本物の醤油ではないので旨味に欠け、化学調味料や酸味料などの添加物を入れることになるという。


先日買ったお刺身に付いてきた「さしみしょうゆ」の原材料を見ると、その通りになっている。「丸大豆」ではなく、脱脂加工大豆が使われ、果糖ぶどう糖液糖や砂糖、水飴などが加えられ、本物の醤油っぽい色にするためにカラメル色素も入っている。

大豆から脱脂加工大豆になるとき、圧搾して油をとるわけではなく、薬品を使って脂肪を分離させるという。その薬品は、最終的な商品に残存してはいけないという基準が設けられているけれど、その危険性がゼロではない、とこの本では指摘されている。

「醤油」というと、伝統的な食品で健康的なものだと思って食べている人がほとんどだと思うけれど、市場に出回っている醤油のおそらくほとんどが伝統とはほど遠い「醤油もどき」だというのは悲しい。

ぼくは砂糖や果糖ぶどう糖液糖を食べると歯茎が腫れてくるので、外食先の醤油は避けている(ほとんどの場合、砂糖や果糖ぶどう糖液糖の入った醤油が使われている)。うどん屋で生醤油うどんが食べたいときは、マイ醤油を持っていく(チェーン店ではマイ醤油を取り出しやすいが、先日、個人経営のうどん屋さんでマイ醤油をかけていたら店主の目が光っていた)。

うちで愛用しているのは「ヤマヒサの「杉樽仕込 頑固なこだわり醤油」(こい口)」。



材料は、岩手産の大豆(もちろん「丸大豆」)と、青森・岩手・秋田・北海道産の小麦、オーストラリア・メキシコ産の天日製塩。杉の木の大樽を使い、昔ならの醸造方法で作られた天然醸造醤油(醸造期間は1年販以上)。添加物を一切使わず、代々使われてきた蔵や樽についた菌で自然発酵させている。火入れをしていないので、酵母が生きているらしい。

自社で放射能測定もしてくれていて、2017年1月31日の測定で放射性ヨウ素や放射性セシウムは検出されていない(検出下限値は1Bq/kg)。

ぼくも以前は砂糖や添加物まみれの醤油に舌をごまかされていたが、毎日口にする基本的な調味料は特に、ごまかしのない本物がいい。


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by 硲 允(about me)
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