古民家を借りる(買う)ときのチェクポイント16個。


香川の古民家をお借りして住み始めて今年で5年目になる。

先日、古民家の賃貸(購入)を検討している方から相談を受けた。古民家を探す際のチェックポイントを思いつくままに書いてみたい。

家が傾いていないか?

下見でさっと入ったくらいでは気づかないことがありますが、特に購入する場合は、傾いていると修理が簡単にはいかないと思うので、水平器を持っていってさりげなくチェックしてみるといいかもしれない。


壁と天井の隙間

囲炉裏があるような古民家では、煙を抜くためだと思うけれど、壁と天井の間に大きな隙間が空いている。火を焚くなら煙が虫よけになるけれど、そうでない場合、大きな穴があると虫が入り放題なので埋める必要がある。うちもそうなっていたので、藁と漆喰で埋めた。

お風呂は使用可能か?

お借りしている古民家は、お風呂が使えないことを引っ越すまで知らなかった。温泉通いで乗り切ったが、お風呂がないと温泉や銭湯に通うのに時間とお金がかかり、修理するにもけっこうなお金がかかるので要チェック。

トイレの状態

水洗か、汲み取り式か。修理は必要か? うちは汲み取り式のトイレが付いていたけれど、自分でコンポストトイレをつくったほうが清潔な気がしたので、自作した

雨漏りはしていないか?

雨漏りしていると、修理が大変だと聞く。雨漏りの形跡がないか、天上をチェック。うちは前にずいぶん雨漏りしていた形跡があるけれど、修理してくれていて大丈夫だった。

白アリの被害は?

柱などに白アリらしき被害がないか確認するとよさそう。うちは住み始めてしばらくすると、羽のある白アリらしき虫が、行列をなして退散していった。決まって夕方になると現れ、一列になって玄関から出て行くのが数日続いた。それ以来見なくなったので、どこか別の場所へ引っ越してくれたようだ。

水の確保

水道水が使えるか、その水はどこから来ているか。井戸はあるかどうか、井戸水の水質はどうか。うちにも井戸があるが、近所で井戸掘りに来た業者さんに聞いたところ、この辺ではたいてい井戸水から大腸菌が検出されるので、そのまま飲み水にはできないとのことだった。

排水はどうなっているか?

うちは台所や洗面所の排水は、そのまま外に流す仕組み(浸透式)になっている。排水が軒下に流れるが、洗濯は庭でするし、排水をたくさん流すような料理をほとんどしないので、特に困ったことはない。

新しくお借りした離れは浄化槽が付いていて、定期的な検査が必要なほか、借りている最中に浄化槽が一杯になった借主が汲み取り代を負担する決まりになっている(そのあたりの取り決めも要確認)。

アスベスト

香川で家探しをしていたときに紹介してもらった家の一つは、壁にアスベストらしき素材が使われていて、そこは借りなかった。アスベストの画像を見て覚えておくと、咄嗟に判断しやすい。

リフォームを自由にさせてもらえるか?

賃貸の場合、リフォームをどの程度まで自由にさせてもらえるのか事前に相談しておくことが必要。

きれいなアパートやマンションを借りるような場合、経年劣化による不具合の修理は大家さんの費用負担で行ってもらえることが多いと思うが、古民家の場合、借主の負担で修理することも多い。たくさんの修理が必要なので、それを踏まえて安い賃料が設定されている場合もある。

ケースバイケースなので、大家さんや不動産屋さんと事前によく相談して取り決めておくことが大事だろう。相談した上で、安心して借りられないと感じた場合、やめておくのが無難かもしれない。お金をかけてきれいに修理したのに、それを見た大家さんが、「これはもっと高く貸せそうだ」と思って出て行かされたり、賃料を上げられたり、という話も時々聞く。その反対に、お金をかけて直したのだからといって、その費用を大家さんに負担させようとし、お金を出してもらえるまで出て行かない、という借主もいる、という信じられないような話も聞いたことがある。

高速のインターネット接続は可能か?

パソコン仕事をする場合、高速のネット接続は必須。うちの辺りは以前は光ファイバーが入らなかったが、この頃は新しい住宅が増えて近くまで線が来ていたのですぐに工事してもらえた。Wi-fiやスマホ(ケータイ)の電波が入るかどうかも要確認。

敷地内のごみ

庭や畑にごみが散乱していないか。大物のごみの場合、撤去するのが大変だし、お金もかかる。畑に落ちているごみを見れば、以前、どのように畑が使われていたかがある程度想像できる。

山崩れや水没の危険性は?

隣接した山が崩れた場合の被害や、水没など、自然災害のリスクを調べておくと安心。役場に行くと水没などのハザードマップがもらえるかもしれない。山は、手入れされていなくて下草が生えていないようなところは崩れる危険性が高い。

その地域の雰囲気

敷地内だけでなく、その周辺の雰囲気を五感で感じ取り、楽しく生き生きと暮らせそうかどうかをじっくりと確認することが大事。今思えば、かつて、何でこんな場所に決めたんだろう、というような場所に住んでいたこともある。たいてい、今の自分と似通ったような場所に引き寄せられる。自分に自信がなければ、人生を楽しんでいていつでもハッピーそうな人に付いてきてもらってアドバイスしてもらうのもいいかもしれない。

付近にあぶなそうな施設はないか?

土壌や水を汚すようなものを排出したり埋め立てたりしている施設や、電磁波の影響が懸念される電波塔、騒音を出す施設などがないかを地図や実際に見回ってチェックしておくと安心。

以前紹介してもらった家のすぐ近くにメガソーラーがあり、電磁波が心配だし、除草剤を撒く場合もあると聞いていたので、そこは借りなかった。除草剤は民家でも庭や道路に撒いていることがあるが、それをチェックするには、草の勢力が盛んな時期に何度も確認しに行く必要がある…。

ご近所さんと仲良くできそうか?

思い描いていたような家を借りられて大満足、と思っていても、近所に厄介な人が一人いるだけで気分は台無しになってしまう。家の付近を歩いて、雰囲気を感じてみたり、出会った人に挨拶して反応を見たり、大丈夫そうなら近所の家をたずねて話を聞いてみたり、なるべく事前調査をしておくと安心。


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by 硲 允(about me)
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