「将来の不安」について。マイナスの不安とプラスを最大化できない不安


先日、「将来の不安」について質問を受けた。

それについて、ブログにも書いてみようと思った。

将来の不安を感じているかというと、ぼくはあまり感じていないほうだと思う。ぼくは楽天的なほうで、よっぽど危機的な状況に陥らない限り、将来についてあまり不安を感じることがないようだ。銀行の口座が空っぽになってしまったのに、もうすぐ支払わなければならないお金があったりローンを返せなくなったりしたときはさすがに、少し先の将来に対して暗い気持ちになったが、最近は幸い、そういう事態に陥ることもなくなった。

香川に移住して以来、東京で暮らしていた頃に比べて生活費が少なくなり、お金の心配が減った。野菜や米を育てるようになり、食べられる野草やキノコなども知り、土地さえあれば何とか「食べていく」自信はついてきた。

どれくらいの危機に陥ると不安を感じるかは、人それぞれ、それまでの人生における経験によるところも大きいように思う。ぼくは子どもの頃から、平和な環境で暮らしてきて、困ったときには親や友人に助けられてきたので、暢気にしていられるのかもしれない。

とはいえ、人生、いつ何が起こるかわからない。時々、自分が望まない状況を想像することもある。ぼくは体を動かすのが好きだけど、歩けなくなったり手足が動かなくなったらどうしよう、とか。そのときは、まだ動く体の部位を使って何か表現活動をしていこう、と思う。お金も持ち物もすべてゼロになってホームレスになったらどうしよう、とか。そのときは、森の片隅や倉庫の一角など、寝場所をかしてもらえないか友人に相談して、そこから立ち直ろう、と考える。どんな状況に陥ったとしても、そこから少しずつ、自分が望む方向へ進んでいけるはず・・・(その気力すら出てこないような状況もあるかもしれないが、そんな状況でも、あきらめないことを選ぶ、と今は思っている)。

どんな状況に陥っても、死ぬまでの辛抱だ、と時々思う。とはいえ、体のどこかが痛かったり痒かったりする状況が何日も続くと、これがずっと続くくらいなら死んだほうがマシだ、と思えてくることがある。ぼくの場合、そんな状況が何ヶ月、何年も続いたことがないが、人によっては、とんでもない痛みや痒みが年中続く病気などに苦しまれていることもある。そんな苦悩に耐えながら生き続けている方たちは、本当にすごいと思う。並大抵の精神力では難しい。

自分が望まない状況を想像することもあるけれど、なるべく自分が望む未来だけを思い描くようにしている。

学生の頃、誰に教わったわけでもないが、布団に入って寝付くまでの間、自分が望む将来のことを考えていた。それを達成するには何をしていけばいいかを考えた。だんだん興奮してきてなかなか眠れなくなるようなこともあったが、自分の将来に対する望みを明確にする大事な時間だったと思う。

「思い描いたことが現実化する」とよく言われる。「思考は現実化する」という本が有名だ。この本は読んだことがないが、「引き寄せの法則」シリーズでもそう書かれている。


引き寄せの法則 エイブラハムとの対話 (引き寄せの法則シリーズ)

一時期、「引き寄せの法則」シリーズをよく読んでいた。それ以来、自分が望まない将来を思い描くことがますます減り、将来の不安もますます感じなくなったように思う。

「思い描いたことが現実化する」といっても、「思い描かなかったことは現実化しない」というわけではない。自分の人生で何が起こるかは、自分の思考や意志のほか、他人の思考や意志も関わっている。人間は、この世に生を受けたときからずっと、他人の思考や他人が出す波動の影響を受けて生きている。それを無いことにして、自分だけ楽しいこと、幸せなことを思い描いていれば完全に楽しく幸せな未来が訪れる、と思っていても、望まないことも身に起こってくる。ネガティブな現実に目を背けるのではなく、ネガティブな現実もひっくるめて現在までの現実を直視したうえで、自分が望む将来を思い描き、それをもとにした行動や言葉、思考を生み出していくことが大事だと思う。

「将来の不安」というと、ぼくの場合、何かマイナスのことが起こる不安というよりも、プラスを最大化できずに死ぬことへの不安のほうが大きいようにも思う。つまり、死ぬときに後悔したくない、ということ。死ぬ頃になって、あのときにもっとがんばっておけばよかったとか、もっとできたんじゃないかとか、チャレンジしておけばよかったとか、誰かに遠慮しすぎた、とか思いたくない。理想的な人生とはいえなくても、その時々で最善を尽くしてきた、と思って死にたい。後から考えると、あのときはこうしておけばよかった、と思うこともあるかもしれないが、そのときはそれが一番いいと思ったのであれば仕方ないと思う。しかし、今、こうするのが一番いいような気がする、と思いながら、リスクをおそれたり他人の意向を気にして自分が望むことをできず、のちのち後悔するようなことは避けたい。

人間は死んだあと、生まれ変われるような気も最近はしてきたけれど、この人生は一度きり。たとえ今、どんな状況にあったとしても、今をなるべく楽しみ、将来の理想を自由に思い切り描き、そこに向かって一歩一歩進んでいきたい。


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by 硲 允(about me)
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