庭で野生化しつつある大根と、兵庫で発見された「ど根性大根」のクローンの話

ここ数日、暖かい日が続いているので、日中、庭の手入れをしている。庭木の剪定をしたり、草を刈ったり、苗を育てていたポットを整理したり。

草刈りをしていると、大根を見つけた。


一見、どこに生えているのか分かりづらいけれど、もう少しアップで見てみると…


見慣れている人は、色合いで分かるかも。さらにアップに…


まだ小さいけれど、固い土に根を下ろしてしっかりと育っている。


今年は特に寒く、畑の大根も成長がゆっくり。香川のあちこちでそういう話を聞く。産直のお店などに行っても、この時期にしては大根が少ない。

そんな過酷な環境のなかで、人手を全くかけずに育ったとはすごいなぁと思った。もともとは畑で育った大根の種を庭にばらまき、去年もここで育った。その大根が花を咲かせ、種をならし、風で落ちた種が発芽してまた育った。庭の地面には石がたくさん埋まっていて、野菜が育つには厳しい環境だけど、そんなところで野生化しつつある。


大根は環境が整えば、人手をかけなくても毎年同じ場所で育つようだ。仏生山でほとんど放置されたような畑でも、毎年ひとりでに大根が育っている場所がある

ど根性大根」のことを調べてみると、兵庫県相生(あいおい)市のアスファルトの隙間に大根が生えているのが発見されて話題になったが、誰かに折られて弱ってしまい、クローン技術を使って採種したという話が出てきた。ど根性大根は、自然界に生きる植物の力強さに心を打たれて話題になったのだろうけれど、人口技術でそのクローンをつくるというのは本末転倒ではないだろうか。しかも、そのクローン大根が地元の学校の給食で提供されたらしく、自然の神秘を感じるよりも、テクノロジーで何でも解決できると勘違いした人間の傲慢さを称賛し、もてはやす結果に終わったのではないだろうかと思った。

ピンチになったら普段以上に頑張るのは、野菜も人間も同じかもしれない。畑でも、畝ではなく土の固い通路で芽を出した野菜が立派に育っていることがある。怠け癖のあるぼくは、ピンチにならないと全力を出さないことが多いが、今年はピンチに陥る前からもうちょっと力を出していきたいと思っている。

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by 硲 允(about me)
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