そろばんを始めた。イス珠のそろばんで、普段使っていない頭の訓練


ヤフオクで落札したそろばんが届いた。

明治時代から3代続いてきた老舗「雲州堂」のそろばん。土に還らないプラスチック玉は触り心地もよくなさそうだし、昔につくられた木製のそろばんを探していたら、これを見つけた。

珠につかわれている木の品種は、「イスノキ(柞の木)」。初めて名前を聞く木で、調べてみると、マンサク科の常緑高木で、日本では関東以西で自生しているとのこと。とても堅い木なので、櫛、杖、木刀、小刀などにも利用されてきたらしい。


何ともきれいなチョコレート色。イス珠のそろばんはもう生産していないらしく、運よく貴重なそろばんと出会えた。

届いたらすぐに練習したいと思って、そろばんが届く前に参考書「絵でわかるそろばん」(堀野 晃 著)を買ってきていた。



近所の書店では、そろばんの本がほとんどなく、高松の大きなジュンク堂で見つけてきた。これ一冊で、足し算、引き算、掛け算、割り算、それに暗算も学べて、珠算検定の10~3級、暗算検定の8~3級に対応している。説明が丁寧でわかりやすく、そろばんの豆知識もいろいろ載っていて面白い(そろばんが中国から伝来した当初は、大工職人や指物師がつくっていたので、梁、桁、枠といった建築用語が使われる、など)。

そろばんをやり始めて2日目、そろばんを早くやりたくて早朝に目が覚めた。新しく買ったゲームを早くやりたくて早起きした子ども時代を思い出した。

本を読みながらそろばんをはじいていると、どうもおかしいなぁ、ということがでてくる。こんなに非効率なやり方でいいのだろうか、と疑問に思い、子どもの頃にそろばんを習っていた相方に尋ねると、目から鱗の方法を教えてくれて、一気に計算が速くなった。先達はあらまほしきことなり。

本を開いてそろばんを弾き、やり方があっているか相方に見てもらっていると、いきなり難しすぎる問題をしているとつっこみ。そろばん教室では、最初は一桁+一桁をひたすら続けるような練習をするらしい。買った本は一冊で幅広く網羅しているので、掲載できる練習問題の数が限られている。

それでは、ということで、1+1=、1+2=、1+3=…と規則的に練習。珠の動かし方や指使いが正しいかどうか、相方に見てもらっていたが、1+60くらいで、「いつまで見てやなあかんの!?」と再びつっこみ。そりゃそうや。と言いつつ、その後も、1+2+3+4+5…を計算していく練習が始まり、朝から何時間もそろばんの特訓に付き合ってくれた。

2日間の特訓で、ひとまず、足し算と引き算の方法はわかった。小学生の頃、そろばんの授業に付いていけず、そろばんにはずっと苦手意識があったが、ちゃんと勉強すれば、それほど複雑なものではなさそうだ。まだたどたどしいけれど、練習あるのみ。

木の珠を弾くと音も感触も心地よく、ちょっとクセになる。電卓を叩くのは好きではないけれど、そろばんを弾くのは楽しい。そろばんがこんなに楽しい道具だったとは、もっと早く知っていればよかった(今からでも遅くない…)。

そろばんをしていると、頭の普段使わない場所を使っている感じがする。久しぶりにしっかりと頭を使えたのか、頭が活性化してきた。そう相方に言うと、「普段、どれだけ使ってないんよ!」ともっともなつっこみ。そろばんを始めたおかげで、普段からもっとちゃんと頭を働かせなくては、という教訓も得られた。


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by 硲 允(about me)
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