三宅商店での買い物と、種子法廃止のこと。


「三宅商店」からお届けもの。「三宅商店」とは、ミュージシャン(という肩書にはおさまらないけれど)の三宅洋平さんが店主を務めるライフスタイルセレクトショップ。

毎年使っている手帳「和暦日々是好日」を今回も買おうと思い、1年中毎日のように使うものだし、応援しているお店から買いたいと考えた。


「三宅商店」が掲げているコンセプトは、「Spend Shift」。「消費動向は世界をつくる」を合言葉に、オーガニックの食材や生活雑貨、ヘンプファッション、パーマカルチャーや農関連の書籍などを販売している。

一人ひとりによる、「何をどこで買うか」が世界に大きな影響を与えている。自分一人だけのことを考えると、小さな影響に思えるが、一人一人の行動が合わさると、大きな力になる。多くの人の「何をどこで買うか」が変われば、世の中の仕事も暮らしも生き方も変化していく。


「えがおの力」という洗剤も購入(以前は「松の力」という製品名だったが、松以外の成分も入っていることが判明して、名前が変わった)。松と米ぬかとヤシ由来の界面活性剤が入っていて、普段は洗濯に使っているが、食器洗いや掃除、ペットのシャンプーなどにも使えるらしい。手洗いで洗濯しても手が荒れないし、草木染めの衣服の色落ちも少ないが、汚れもしっかり落としてくれる。


アリサンのココアパウダーと祝島(山口県)のびわ茶も。


同じく祝島の鉄釜炊き・天日干しのひじきと、スピルリナの入ったフルーツバー。


「日本の種子(たね)を守る会」による「種子法廃止 タネがあぶない!」というリーフレットも入れてくれていた。種子法というのは、日本の中心的な食材である米・麦・大豆を国民に安定供給するため、それらの優良な種子の生産・普及を「国が果たすべき役割」と定めたものだが、現政権は突如その廃止を閣議決定し、今年(2018年)3月末に廃止されることになった。

種子法の廃止により、種子の価格が値上がりし、既に米の販売価格が安すぎて苦しんでいる米農家がさらに苦しむことになったり、参入した民間企業のコスト優先により米の品種の多様性が失われたり、多国籍企業の独占によって種子を支配されたり、といったことが懸念される。

現在、世界の種子市場の6割以上を遺伝子組み換え企業(モンサント、シンジェンタ、ダウ・ケミカル、デュポン、バイエル、BASF)が占めているという。遺伝子組み換え企業は、開発した種子に特許をかけ、農家が毎回種子を買わざるを得ない仕組み(農家が自分で育てた作物の種採りをすると訴えられる)をつくろうとしている。現に、インドなどではそんな仕組みができて農家たちが苦しめられている。

日本も他人事では済まされない。Spend Shiftによって個人一人ひとりが自分たちの手に力を取り戻そうとする動きは、市場の仕組みによって利益や権力を独占しようとする企業にとっては脅威でもあるだろう。自分が望む商品を購入することでYesを表明するとともに、いつの間にか望む選択肢が奪われてしまわないように、望まない制度にはNoを突き付けることを同時に行っていくことが必要だと思う。


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by 硲 允(about me)
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