畑で育ったソラマメを醤油豆(香川の郷土料理)に。かつては農繁期の常備食だったらしい




最近、種採りしたそら豆(手前はグリーンピース)。来年、全部種蒔きするには多いので、香川の郷土料理である「しょうゆ豆」にしました。

しょうゆ豆とは、煎ったソラマメを醤油に漬け込んだもの。


昔、あるお婆さんがお遍路さんを接待しようと、焙烙(ほうろく)でそら豆を煎っていたところ、偶然醤油の壷の中に飛び込み、後日それを見つけて食べてみるとなんとも美味しかった、というのが由来だと言われています。香川に来てからいろんな方からこの話を聞きました。

自分のところの畑で育ったソラマメでしょうゆ豆を作りたいと毎年思いながらなかなかできていなかったのですが、遠くから会いに来てくれるお客さんに食べてもらおうと、相方がつくってくれました。


まずは土鍋を火にかけ、焦げ付かないようにヘラで混ぜながら20~30分煎ります。


豆がはじける音がし、香ばしい香りがしてきたら、あらかじめ用意していたタレを注ぎます。タレは、醤油1/2カップ、水1カップ、ハチミツ、ショウガを混ぜました。市販の醤油豆にはたいてい砂糖と唐辛子が入っていますが、ぼくは両方とも苦手なので、ハチミツとショウガがその代わりになっています。昔は砂糖やみりんをほとんど使わず、そら豆が持つ甘みを生かしたそうです「さぬき味の歳時記」による)

それからひと煮立ちさせ、一晩置いたら完成。


緑のそら豆も赤紫のそら豆も、大きさでしか見分けがつかないくらい黒くなりました。ほどよい噛みごたえがいい感じ。砂糖をたくさん入れるとおやつのようになりそうですが、ハチミツのほのかな甘みとソラマメ本来の甘みで十分! ご飯のおかずに最高です。

保存食にもよさそう。昔はどこの農家でも米の裏作として年中食べられる量のそら豆を栽培していて、醤油豆は農繁期の常備食としてどこの家でも作られていたそうです「さぬき味の歳時記」による)。そのうち余裕ができたら、年中食べられる量のそら豆を育ててみたいと思います。

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by 硲 允(about me)
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