田舎暮らしとマムシとの付き合い。タケノコのありかなどを教えにきてくれた話。

去年現れたマムシくん

今年になって初めてマムシに遭遇したのは、畑で草刈りをしているときだった。鎌を手に、よく伸びた草たちを地上15センチくらいのところで刈ると、その下にマムシがいた。もうちょっと下で刈っていたらどうなっていただろうとひやりとするが、こういうことはよくある。

そのマムシは逃げもせず、じっとしていた。目を見ると特におびえたり怒ったりしている様子もなく、穏やかな表情。しばらく見ていたが、じっとしたままで動かない。仕方なく別の場所を草刈りした。

今年に入って2回目にマムシに出会ったのは、竹藪で竹を伐ろうとしているときだった。ザザザっと何かが動いたと思ったら、40~50センチくらいのマムシだった。畑で出会うマムシはいつも穏やかな顔をしているが、このマムシはこわい顔をしていた。「お前、そこで何しとんのや?」とでも言いたげな・・・。畑のマムシはぼくのことを知っているのだろう。竹藪には畑ほどしょっちゅう入らないので、マムシくんにとってぼくは完全な部外者。

竹を倒す予定だった場所でマムシが身動きしなくなったので、別の竹にしようと目を移すとタケノコを発見した。タケノコがあるのを教えようとして出てきてくれたのだろうか、と都合のいい考えが浮かんだが、まだこわい顔をしたままのマムシを見ると、そうでもなさそうだった。

苗代で育てる稲の苗を鳥たちが食べてしまわないように、竹でアーチをつくってネットを張るために竹が必要だった。太めの竹を裂いてアーチをつくろうと思ったが、マムシがいる場所以外に手頃な竹がなく、もう少し細い竹にしようと思って別の方向を見ると、もう一本タケノコを見つけた。マムシくんよ、やっぱりぼくにタケノコのありかを教えに来てくれたのか・・・?

細めの竹を伐って家に運んでいる道中、通りかかったタクシーがぼくの真横で停車した。「竹、仕舞にしよん?(片づけてるの?) そら大変やのぉ」。知人にそっくりの運転手さんだった。

庭に戻って竹でアーチをつくっていると、最初に伐ろうとしていたような太い竹よりも、細めの竹のほうがしなりやすくてアーチをつくりやすいことがわかった。

結果的に、タケノコ2本のありかと、アーチに適切な竹をマムシくんに教わり、感謝。

香川の今の家に引っ越してから、近所の人たちが、「マムシ出るから気をつけてよ~」と何度も警告してくれた。そう言われて最初のうちはおそれていたけれど、マムシくんたちとの付き合いも4年目になると慣れてきた。間違って踏みつけないように足元をよく見て歩き、草刈りのときにも少しずつ刈り進めるようにして、なるべく高い位置と地面に近いところと2回に分けて刈るなどの注意はしているが、こっちから危害を加えるようなことをしなければ、向こうから襲ってくるようなことはない。身近なところでも、マムシに噛まれたというような話は聞かない。念のためポイズンリムーバーを買ってあるが、幸い今のところ出番はない。


エクストラクター ポイズンリムーバー AP011


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by 硲 允(about me)
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