畑仕事で人間の基本的な能力を取り戻す。マクロとミクロの視点の行き来


畑仕事では、マクロとミクロの視点を行き来する能力が鍛えられる。

刈払機で草刈りをするときは、小さな植物一つひとつを観察している余裕はなく、大きな視点で作業を進める必要がある。

その直後に、出たばかりの野菜の小さな芽を間引きしていると、ヘンな感覚にとらわれることがある。さっきまでは何から何までガーっと刈り飛ばしていたのに、今度は小さな葉を指先でつまんで選り分けている。

畑仕事を始めたばかりの頃は、そういう視点の切り替えがうまくいかなかったけれど、だんだん慣れてきた。それまでいかに2Dの世界に引きこもっていたかを思い知らされた。パソコンの画面ばかり見て過ごしていると、視点の大きく切り替える訓練をする機会が少ない(ぼくのパソコンの使い方では、せいぜいフォントの大きさの切り替えくらい・・・)。

「ものを見る」というのは、簡単なようで、その見え方は人によって隔たりがある。相方と一緒に畑に行くと、ぼくが普段見過ごしているものを見つけてくれることがよくある。言われてみてもなかなか見つけられないような小さなものでもすぐに見つける。昨日は庭で四つ葉のクローバーを見つけてきた。

相方は小さい頃から実家で畑仕事を手伝っていたこともあるのか、「ものを見る目」が鍛えられている。子どもの頃からよく絵をかいていたのもよかったのかもしれない。ぼくは子どもの頃はテレビゲームに夢中で、絵をかくといったらアニメのキャラクターくらいのものだった。

畑仕事をするようになって、人間の基本的な能力を一から鍛えなおしているような感じがする・・・。


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by 硲 允(about me)
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