和歌山バスの注意書きに学ぶ和歌山弁講座。讃岐弁に似ているところもあります。


先日、「和歌山バス」の車内で、こんな注意書きを見かけました。



和歌山弁で書かれているので気になって全部読みました。

危ないさかい
走行中や信号待ちで
座席移らんといてやぁ
一概に和歌山弁といっても、県内の地域ごとにかなり異なります。この和歌山弁は大阪寄りの感じ。ぼくの場合、「さかい」や「~といてやぁ」は使わず、「危ないから 走行中や信号待ちで 座席移らんといてよー」と言います。

こけて骨折する人
がいに増えて
きちゃーるで
 「がいに」というのは、「すごく」という意味。「がいに」はけっこう聞きますが、これもぼくは使わず、「やけに」と言いそうです。「きちゃーる」は「きてる」という意味。「~ちゃーる」は昔は使っていたと思いますが、和歌山を離れて10年以上経つと、和歌山弁に戻っても今は使わなくなりました。

ちなみに、「がいに」は同じ意味で讃岐弁でも使います。讃岐弁では、「こけて骨折する人 がいに増えて きよるで」でしょうか。

あわてやんで
ゆっくり降りたら
ええわよぉ
 否定の語尾に「やん」を使うのは和歌山弁独特で、「やん」「やん」連発するので大阪出身の人が面白がるという話をよく聞きます。「ええわよぉ」はあまり聞かない表現で、「ゆっくり降りたらええで(いいで)」と言う人のほうが多そうです。

いごかんと
じっと座ってるしか
安全やし
 「動かん」ではなく「いごかん」と言う人もいて、これも香川でも同じように使われるのを聞きます。この場合の「しか」は「ほうが」という意味です(「こっちしかいいで」などと使います)。「安全やし」はどういうニュアンスなのか謎です。

和歌山弁といっても、自分には使わない言葉もあって面白いです。小学生の頃、田辺市(和歌山県中南部)で1年くらい暮らしていたことがあり、田辺では「すごく」のことを「やにこー」と言うのを初めて聞いたときは驚きました。これは飲み込みの早い小学生時代といえど、自分では使えるようにはなりませんでした。


【関連記事】