2016/07/29

「なタ書」(香川県高松市)の店主が語る古本屋のプロ意識。ぼくらの手製本を取り扱ってもらえることに

香川には「なタ書」(なたしょ)という店名からしていかにも個性豊かな書店があることを、何度も雑誌やウェブサイトでたまたま見かけて知っていましたが、基本的には予約制ということもあり、予定を立てて行動するのが苦手なぼくには敷居が高く、なかなか行けずにいたのですが、ぼくらの手製本を販売してくれている友人がつないでくれて、昨夜、初めて訪れました。


店先は、大きく育って迫力のあるランタナと本と昔のパソコンの組み合わせ。



入ってすぐのところに、いろんなフライヤーは冊子が並んでいます。


靴を脱いで、木の階段を上ります。

2階はこんな様子。


atelier makotomoでつくっている4種類の手製本を店主の藤井さんに見ていただく間、店内をうろうろ。





お店の中は独特の雰囲気で、一所懸命生きている人間が交差する「あったかみ」のようなものを感じました。

古書店によっては、気に流れが滞ってどこか殺伐としたものを感じる場所もありますが、ここには隅々まで何かが息づいているような気がします。




友人には(ぼくらの本を)「お取り扱いできますよ」と言ってくれていたそうですが、ぼくはお店を訪れるのも藤井さんにお会いするのも初めて。

本を見ていただいて、装丁や中身を説明したうえで、どの本を何冊置いていただくかはお任せしようと思っていました。

藤井さんは真剣な眼差しですべての本に目を通され、いくつかぼくに質問されたあと、4冊のうち、『好きなことを仕事にする ~珍妙見聞録第1巻~』と『庭の花』を2冊ずつ置きたいと言ってくれました。

そして、『』と『おはなし仙人』は、陳列はしないけれど、上の2冊を買ってくれたお客さんに紹介してくださるとのことで、1冊ずつ預かっていただくことになりました。

一緒に行ってくれた友人が、「どうしてこの2冊を置いてくれることに決めたんですか?」ときくと、藤井さんは熱く語ってくれました。

ぼくは有名人ではないですが、4冊全部置くと、そこにぼくの空間ができてしまう。仕事のことに関心のあるお客さんがいるので、仕事コーナーをつくっていて、「好きなことを仕事にする」はそこに置こうと決めた。あと1冊は、残りの3冊のうち、どれでもいいけれど、「どれを一番売りたいですか?」という質問にぼくが「庭の花」と答えたので、作り手の希望も大事にしたいのでもう1冊はこれに決めたとのこと。

「仕事の本」コーナー

たとえば、4種類全部、5冊ずつ置きますよー、と気軽に言ってそうするのは簡単だけど(買い切りではなく委託販売なのでいくら預かっても、売れなければ返却すればいいだけの話です)、預かった以上は責任を持って売りたい、と。預かりっぱなしで、本の売れ行きがどうなったかも把握せず、作り手にその後連絡もしない、というようなところが多いようですが、それでは作り手にも失礼だと。

藤井さんが「なタ書」をオープンして、約10年。古本屋だけで生計が立つようになるまで、5年かかったそうです。古本屋だけで生計を立てていくのは、並大抵のことではないと想像します。それを可能にし、今では全国からお客さんが訪れるという「なタ書」をつくり上げてこられた藤井さんのポリシーやプロ意識が垣間見えるお話でした。

「今のお話、面白いと思ったのでブログに概要を書いていいですか?」とお聞きしたら、心よくOKしてくれました(「面白い」というのは軽々しくて失礼な言い方だとあとから思ったのですが…)

一緒に行った友人が生まれ育った石垣島を藤井さんは何度も訪れているらしく、島の出版社や本や書店や図書館、さらには行きつけの焼き肉屋の話を聞かせてくれました。長年、瀬戸芸(瀬戸内国際芸術祭)に深く関わってこられたそうで、先日女木島に行った話をしたら、見事な夜景が見られるスポットや時期を教えてくれました(これは言い触らさないほうがよさそうなので、興味のある方はぜひ「なタ書」へ!)

藤井さんはご自身曰く「飽きっぽい」らしく、古本屋だけをしていきたいわけではないので、古本屋をしつつ、執筆や瀬戸芸のプロデュースなど、いろいろな仕事に関わられているそうです。読書というと、どちらかと言うと「静」の行為ですが、藤井さんや「なタ書」からは、旅人が感じさせる躍動感や、一カ所に留まらずに次々に判断して動いていく生のエネルギーのようなものが漂っているように勝手に感じました。

「なタ書」は基本的には予約制ですが、予約なしで行ける日(時間帯)もあり、twitterで随時、情報を発信されています。「予約があれば、夜の2時だろうが朝の4時だろうが店を開ける」と話されていました。実際、昨夜、「本日はAM3:00くらいまで営業しております」と書かれていました。


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