配達してくれたモノについてコメントする香川の運送屋さんの話。



「薪風呂をつくろう!Project」の浴槽と風呂釜が届きました。琺瑯(ほうろう)の浴槽は何十キロもあり、一人では運べない重さで、配達業者の方と二人で倉庫に運び込みました。そのほか、風呂釜のユニットが17箱。

「これ、ご自分で組み立てるんですか?」
「いえ…」
「それはよかったです」

ぼくがこれを組み立てられそうには見えなかったようで、心配されたようです。

香川に来てから、宅配業者の方が荷物の内容について何かコメントされることがよくあり、最初は驚きましたが、もう慣れてきました。

「秋田から・・・遠いところから届きましたねぇ。横手といえば、かまくら祭りが有名ですね」

いつも声に出さず目で語る方もいて、「森を守る」と箱に書かれた大量のトイレットペーパーを届けてくれたときは不思議そうにされていました。

東京のアパートからこっちに引っ越すとき、ちょうど引っ越しシーズンで、手頃な引っ越しパックに空きがなく、段ボールにちょっとずつ荷詰めして、普通の宅配で送りました。若いお兄さんが毎日のように集荷に来てくれて、そのときはさすがにいろいろ話す仲になったのを思い出しました。楽器の梱包の仕方をアドバイスしてくれたり、ビミョーな大きさの荷物を一つ安いサイズの料金にオマケしてくれたり。

荷物の中身についてはプライバシーの問題もあるけれど、配達する側からすれば、自分が何を運んでいるのかを知りたい気持ちもよくわかります。これを届けられてよかったなぁ、と思えるものを運送する仕事にはやりがいがあると思いますが、何でこんなものをわざわざ届けないといけないんだ、ということだと仕事の喜びを感じられなくなります。

どこかの業者からの広告案内のようなすぐに捨ててしまうようなものをわざわざ届けてもらうと、申し訳なくなることもあります。送るにしろ、受け取るにしろ、届け甲斐のあるものだけを運送してもらえるような暮らしがしたいものです。