日本の「遺伝子組み換え表示」制度は他国に遅れをとっている。

by Stop GMO / pasa


日本人は知らず知らずのうちに遺伝子組み換え食品を食べてしまっている、というこちらの記事の続編です。


日本人は知らないうちに遺伝子組み換え食品を毎日食べ続けている。 - 珍妙雑記帖






日本の現在の制度では、食品の原料のうち、重量の割合が上位3品目にしか、遺伝子組み換えの表示義務がありません。それに、原料の5%までなら、遺伝子組み換え原料が入っていても「遺伝子組み換えでない」と表示できるそうです。

まさに、ウソっぱちな表示が許されているというわけです。

例えば、上位4品目の重量の割合が、26%、25%、25%、24%だとします。この場合、24%含まれている原料が遺伝子組み換えだったとしても、上位4品目なので、遺伝子組み換えの表示が必要ないとされています。

それに、上の記事で紹介したように、サラダ油やしょう油など、品目によっては全く表示の必要がないとされています。

こんなまやかしの表示制度を放置しておくわけにはいきません。

「遺伝子組み換え」の場合、「健康にただちに影響がない」ので、こんなまやかしがまかり通ってしまうわけです。それに対して食品アレルギーの場合、すぐに反応が現れるので、「工場の同じラインで大豆、乳製品を扱っています」などという慎重な表示が見られます。すぐにわからなければ大丈夫やろ〜ということでしょう。食べる人のためを想った表示ではなく、売る側の都合に寄り添った表示なわけです。

EUでは、遺伝子組み換え技術を用いている食品はすべて表示の義務があり、しょう油や食用油なども表示義務の対象となっているそうです。

台湾でも、2015年7月から、段階的に新しい制度を導入したとのこと。それまでは、遺伝子組み換え原料が5%以下なら表示の必要がなかったそうですが、この基準が3%に変更され、使用量がこの基準を超えた場合は「遺伝子組み換え」の表示が必要になります。さらに、包装食品だけでなく、食品添加物やバラ売りの食品にも表示が義務付けられるようになったそうです。そして、画期的なのは、学校給食で遺伝子組み換えの食材や加工食品を使用することを禁止する法律ができたことです。

アメリカでは、遺伝子組み換えりんごに続き、遺伝子組み換え鮭まで承認されてしまいましたが、遺伝子組み換えの表示を求める動きが広がっているそうで、米国では初めてバーモント州で遺伝子組み換え表示の義務化が決まり、2016年7月から施行されるそうです。

そういう国レベルの動きを追いながら、市民一人ひとりが、あるいは、遺伝子組み換えに反対する企業が、それぞれにできるレベルで意思表示し、行動していくことが重要だと思います。

アメリカでは、8000を超えるスーパーなどの店舗が、遺伝子組み換え鮭を取り扱わないことを宣言しているそうです。国レベルで承認が下りたとしても、店が取り扱わなければ、市民が買わなければ、広がらないわけです。

前回の記事にも書きましたが、日本では現在、特定非営利活動法人 日本消費者連盟が、「GM食品の厳密表示求める100万人署名」を集めています。このサイトから用紙をダウンロードし、署名してFAXや郵送で送れば参加できます。



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