発酵と腐敗の違いを見(嗅ぎ)分けられるようになれば、「賞味期限」は関係なくなる。

By Alex Anlicker - de: - Photographer:Alex Anlicker

かつて、賞味期限や消費期限の切れた食品はすぐに捨ててしまっていました。もったいないけど、お腹をこわしたら困ると思って。

お餅にカビが生えたら、カビの生えた一部だけではなくて全部捨てたほうがいいと、祖母から教わったことがありました。なるほど、一部に見えるくらいカビが生えているということは、他の部分にも、まだ見えるほどじゃないけどカビが生えているんだろうと思い、その通りにしていました。

ところが今では、賞味(消費)期限切れの食品やカビの生えたお餅を平気で食べるようになりました。

菌や発酵と「友だち」になってきたからです。

昔は、「菌は全部ばい菌!」という感じでおそれていましたが、味噌やヨーグルトや天然酵母パンなどを家でつくるようになってから、発酵と腐敗の違いがだんだんわかってきて、食べていいかどうかは、自分の目や鼻や舌で見分けがつくようになってきました。

去年の夏は麻炭を使ったヨーグルトをよく作っていました。ある日、そのヨーグルトの表面に白いカビがびっしりと生えて、表面が細かく毛羽立っている感じで、チーズのようになっていました。「うーん、これはどうやろ…」とちょっとビビったのですが、鼻を近づけてみるとまさにチーズのようないい香り。スプーンでひとくち、味見してみると、味もクリーミーでチーズみたい! これは大丈夫、と安心して全部食べましたが、お腹をこわすようなことはありませんでした。昔なら迷わず捨てていたところです…。

ちなみに、麻炭豆乳ヨーグルトの作り方は簡単で、密閉できる容器に豆乳と麻炭に入れ(量はテキトーですが、お茶碗2杯分くらいの豆乳なら、麻炭は大さじ1杯くらい)、そこに黒糖やハチミツなどの糖分を加えてよく混ぜ、密閉して放置しておくだけです。気温は20度前後がいいようですが、夏なら常温でその日中か翌日にはできています(涼しくなってくると、常温では難しくなってきました)。麻炭にEM菌が入っていて、それを乳酸菌がエサにして発酵するそうです。少し食べ残しておき、そこに豆乳だけ足せば、どんどん増やせます。元気がなくなってきたら、また麻炭や糖分を足します。

うちではこの麻炭を使っています。





菌と友だちになるには、とにかくいろんな菌とのお付き合いを増やすことでしょう。そう言うぼくもまだ親しくなり始めたばかりですが、これからも仲良くしていきたいと思います。

「しゅわさかさん」との付き合いも続いています。


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