もの言う人。もの言わない人。

「あの人は普段何を考えてるんだろう」と思う人で、自分の考えをほとんど言わない人は多い。

よく考える人は、考えすぎて、ものが言えなくなることがある。

「これくらいは何となくわかっているけど、自分の考えが言えるほど全体のことは分かっていない」

「こうも考えられるけど、考えようによってはああも考えられる。こうと決めつけるわけにはいかない」

なんて考えていると、ものが言えなくなってしまう。

自分の考えを言うと、相手を傷つけてしまうと思うのかもしれない。

それとも、相手が気分をわるくするのを見て自分が傷つくのがこわいのかもしれない。

自分の考えを言うと、人間関係の和を乱すと思うのかもしれない。

それとも、和を乱さずに自分の考えを言う技術を体得していないのかもしれない。

自分の考えなんて、他人に話すほど大したものではないと思っているのかもしれない。

それとも、自分の「底」が知られるのをおそれているだけかもしれない。

ぼくも自分の考えを他人に伝えるのは得意なほうではない。

しかし、自分の考えというのは外に出していかないと、どんどん小さく弱くなり、いつの間にか他人の考えにかき消されてしまう。

それでいいのか。いいはずがない。だからなるべく言っていきたいと思っている。

誰もが対等に自分の考えをいい合える世の中にしていかなければならない。