「好きなこと」に「アウトプット」という概念を加えてみる

「好きなことを仕事にする」という本をつくりましたが、「好きなこと」という言葉からイメージするのは人によっていろいろだと思います。

ちなみにぼくは、「好きなこと」と聞いて具体的にすぐに思い浮かぶのは、
  • 文章を書くこと
  • 美味しいものを食べること
  • 寝ること
  • 田畑仕事
  • 読書
  • ピアノを弾くこと
といったところです。

「好きなことって言っても難しいよねー、ごろごろしてマンガを読むのが好きとか…」などと相方と話していて、ふと思い付きました。

単に「好きなこと」、というだけでなくて、「アウトプットするのが好きなこと」は何だろうって考えてみたらいいのではないかと。

当然ながら「好きなこと」を「仕事」にするには、何らかの形でアウトプットする必要があります。

ぼくの上の例で考えてみると、

  • 文章を書くこと
    自分だけしか見ない場所に書くのではなく、誰かが読める形で発表する。
  • 美味しいものを食べること
    食べて終わりではまさに「インプット」で、アウトプットの形にするには、食に関する文章を書いたり、映像をつくったり、あるいは美味しいものを食べつつ味覚について研究したり。
  • 寝ること
    寝ているだけでは誰も喜ばないので、快適に眠れる方法を研究して発表したり、一年間にどれだけ眠っていられるかに挑戦してその体験記を発表したり。
  • 田畑仕事
    自分が食べる分だけでなく、育てた野菜や米を販売したり、新しい農法を生み出して発表したり。
  • 読書
    読んで終わりではなく、書評を書いたり、読書に関するイベントを開催したり、あるいは本屋を始めたり。
  • ピアノを弾くこと
    家で誰も聴いていないところで弾くだけでなく、どこかで発表したり、CDを作って販売したり。

「アウトプット」の形にしてみると、それを仕事として自分がやりたいのかどうか、もう少しはっきりとしてきます。

ぼくは文章でアウトプットするのが好きなので、本をつくったり翻訳をしたりすることを仕事にしています。

「美味しいものを食べること」や「寝ること」は日常の楽しみで十分ですし、「田畑仕事」も1年半やってみて、毎日朝から晩まで作業するよりも半日くらいがちょうどよさそうなので自給用が合ってそうなことがわかりました。「読書」は、本を読むのは好きですが、仕事にするのは自分が書くほうだと感じています。生まれ変わったらピアニストになるのもいいなぁと思いますが、二兎追うものは…ということで、今生ではピアノで自己表現することは諦めました。


「好きなことも、仕事にすると楽しくなくなる」

そんなことがよく言われます。

それはつまり、仕事にするなら次々にアウトプットしていく必要があり、アウトプットには産みの苦しみが付きまとうからでしょう。それに、他人の評価というものが加わります。もっと上達したいという思いから、自分のアウトプットと他人のアウトプットを比較して悩んだりもしがちです。

そこで、どうするかは人それぞれです。

そういう苦しみを味わいながらも、好きなことを追求して仕事にしていきたい、と考える人もいます。
好きなことは趣味で楽しむ範囲にしておいて、仕事は他のことをする、という選択肢もあります。

ぼくは前者です。仕事に充てる時間というのは、人生の時間の多くを占めます。自分が心から打ち込めないことに大量の時間を費やすことに、ぼくは耐えられないようです。

「好きなこと」(アウトプットするのも含めて)がたくさんあると、何を仕事にするか悩むところだと思いますが、とりあえず全部、少しずつやっていくと、どれをどういうバランスでやるのが自分に合っているか、あるいはどれはあえてやらないと決めるか、そのうちわかってくるように思います。ぼくは一時期、ピアノも弾きたい、陶芸もしたい、草木染めもしたい、と気持ちがあちこちに行っていましたが、ちょっとずつやってみて、やっぱり仕事にするのは文章を書くことだというのがはっきりしました。かといって、他にやりたいことを完全に切り捨てるのではなく、時間のあるときに楽しむ程度にいろいろやっていこうと思っています。

いろいろ書きましたが、一番言いたかったのは、「好きなこと」に「アウトプット」という概念を加えてみると、仕事として自分のやりたい「好きなこと」がもう少し絞れてくるのではないか、ということです。


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by 硲 允(about me)