頭でっかちだったけど、田舎暮らしで心身のバランスを整える

デスクワークばかりしていると、身体がかたくなり、血流もわるくなり、頭ばかり使って氣が上がって心身の状態がアンバランスになっているのを感じることがあります。

それを防ぐために、なるべく毎日、畑仕事や庭仕事をして、身体を動かすようにしています。家の中で動くのもいいですが、大地に近いところで動くのがいいようです。家の中よりも庭、庭よりも田畑のほうが、同じくらい動いていても心身がよりリフレッシュするようです。そして、田畑仕事でも、エンジンで動く草刈り機を肩に掛けて立って作業するよりも、のこぎり鎌を持ってしゃがんで草を刈っているほうが、心身が癒されていくのを感じます。草や大地に近づくことで、それらのエネルギーを、より直接的に取り入れることができるのでしょう。

頭を思いっきり使うと、その分、身体も思いっきり動かしたくなります。デスクワークを集中的にした後は、机から離れても頭が緊張状態にあり、頭の中を言語が飛び交っています。草刈りや庭木の剪定をしていると、最初はその間も頭の中で作業とは関係のない思考が生じてくるのですが、しばらく作業を続け、ちょっと疲れてくる頃には、特に何も考えていない状態になります。頭の緊張がほぐれ、ようやく心身のバランスが整ってきたのを感じます。

逆に、身体を動かした後は、座ってデスクワークするのが心地よく感じられます。連続して座っていてもあまり疲れず、頭も余計な力みがほぐれ、仕事がはかどります。とはいえ、疲れ切るほど身体を動かしてからデスクワークにかかると、眠くなったり頭が働かなかったりするので、ほどよく身体を動かすことが大事で、そのほどよさは人によって異なり、経験を重ねていくうちにわかってきます。ぼくは結構身体を動かす必要があるようで、2、3日、デスクワークばかり続けていると、腰の調子が悪くなり、目が疲れ、頭が興奮しすぎて眠りが浅くなり、わるいスパイラルに入ってくるので、仕事の都合でデスクワークが続いた後は、ひたすら畑仕事をしています。

「頭でっかち尻つぼみ」という言葉があるように、全身のバランスを見れば、頭と身体をいいバランスで使えているか、だいたいわかるように思います。昨年、香川に移住してから森づくりの活動を始めたばかりの頃、「今まで頭ばっかり使ってきたので」と言うと、「見るからにそんな感じや」と言われました。香川に来て最初の1年は特に、毎日草刈りをする暮らしだったので、人生で初めて、頭よりも身体を動かす暮らしで、少しはバランスが整ってきたように感じていますが、長年の積み重ねがあるので、油断するとすぐ頭のほうにバランスが偏っていきがちです。

ぼくとは反対に、畑仕事など身体を動かす仕事がほとんどだった友だちは、頭を使う仕事がしたくなり、英語に関わる仕事について相談を受けたことがあります。

心身のバランスが崩れていると、そのために一時は尖った仕事ができるかもしれませんが、長続きしないでしょう。何より、自分自身が幸せに生きるには、心身のバランスを整えておくことが大事だと思います。


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by 硲 允(about me)
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