「藤岡弘、珈琲道」が面白かった。「決めつけは邪道」「珈琲は感性のバロメーター」など

近所の「イオン綾川店」で、化粧品コーナーになぜか「藤岡、珈琲」の棚ができていました。

「仮面ライダー1号」(本郷猛)を演じた藤岡弘さんがプロデュースされた、有機の珈琲のようです。

こんな小冊子も置かれていました。


これによると、藤岡弘さんは俳優の仕事やボランティアなどで約100カ国を訪問され、その際、お茶を点てておもてなしされ(藤岡さんの母親が茶道の師匠をされていて、こどもの頃から茶道に親しまれてきたらしい)、逆に珈琲でもてなされることが多かったそうです。

一杯の珈琲に込められた想い、それは伝統文化であり、人と人との和を大切にしてきた先人の知恵であると感じた時、珈琲に対する興味と感動が沸き起こってきたのです。それからというもの、コーヒーというマルチツールの奥深さを探求し続けております。

「藤岡、珈琲」をつくったのは、生命力に満ちた珈琲を楽しんでもらいたいというのと同時に、覚醒作用がある珈琲で、いまの日本に喝を入れたいと考えたからだそうです。「後ろ向きになりがちな世の中を珈琲で覚醒し、未来に希望を持って、前進する気持ちを奮い立たせたい」とのこと。

冊子の第2章は、「藤岡弘、珈琲道」で、以下の4つの項目から成ります。

水へのこだわり「体に入れる水は厳選すべし」


藤岡さんは50数年前に東京に移られた際、水道水がどうしても飲めず、以来、ずっと山の水を自ら汲みに出かけているそうです。

ぼくも東京の水道水はそのままでは飲む気になれず、非電化工房の浄水器を使っていました。香川に移住してからは、東京の水道水よりはマシなので綾川の水道水をそのまま飲んでいますが、浄水器を早く復活させたくなりました。

淹れ方のこだわり「決めつけは邪道である」


藤岡さんは、ハンドドリップで珈琲を淹れる際、紙のフィルターを使う場合、山の水を沸かしたお湯を一度通してフィルターを清めるそうです。そして極少量ずつ、想いと気を込めてお湯を注ぐとのこと。

茶道と珈琲を融合させ、茶道の茶器を使って珈琲を点ててもてなしされることもあるそうです。おそらくブラックだと思うのですが、カフェラテを茶器で点てたらフォームミルクのようになりそうで、試してみたくなりました。

「これでなければダメだと決めつけるのは、むしろ邪道だと思います」とのこと。同感です。


器へのこだわり「手のひらでぬくもりを感ずべし」


藤岡さんは肉厚な器が好みだそうで、珈琲が冷めにくく、手のひらでぬくもりが感じられ、香りも存分に楽しめるとのこと。

「よい仕事ができた」と感じるたびに新しい器を買われるそうで、その器が思い出となりドラマができる、とのこと。そういう器の買い方もいいなぁと思いました。


飲み方のこだわり「珈琲は感性のバロメーターとなる」


この項目も示唆に富む内容で面白かったので、一部を引用します。

現代の都会の社会構造は、感性が錆び付くようにできています。感じることなく、机上の理論やマニュアルだけ、頭で考えただけで答えを出そうとします。しかしこれでは、必ず壁に突き当たってしまう。人は癒されたい時、自然を求めて旅することがよくあります。自然の中にいると、感性が開いてやさしくなれて、体も喜びを感じます。この「感じる」ことがなにより大切です。

ただガブガブと飲んでいては感性を鋭くすることができず、感謝と尊敬、愛の心をもって飲み、その大胆さと繊細さを感じることで、珈琲は「気づきのアイテム」や「感性のバロメーター」となるとのこと。

冊子では他に、「藤岡流 珈琲の嗜み方」や「藤岡弘、珈琲道 心得」などが紹介されていて、面白かったので一気に読んでしまいました。

読み終えた頃、「藤岡、珈琲」の試飲をこれから30分間行うという店内放送がちょうど流れたので、いただいてきました。



豆を煎ってからけっこう時間が経ってそうな気もしましたが、味に深みがあって美味しかったです。




オリジナルマグカップ付きの商品もありました。



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