英語の「読む・書く」ができても「聞く・話す」ができるとは限らない



翻訳の仕事をしていると言うと、英語が「ペラペラ」だと思われがちですが、日本語を話すようにすらすらとは話せないし、語彙不足で英語で何て言ったらいいのかわからないものもたくさんあります。

翻訳の場合、文章を扱うので、自分の知らない言葉が出てきたら辞書やインターネットで納得いくまで調べることができますが、すぐさま口で訳す必要のある通訳や、英語での会話の場合、のんきに辞書で調べている時間はありません。

読んでわからないものは聞いてもわからないし、書けないものは話せません。英語圏で生活する場合、聞けて、話せるけど、スペルがわからなくて読み書きができない、というケースもあり得るけど、日本で英語を勉強する場合、「読み書き」が基本になるでしょう。その上で、「聞く」「話す」ができるようになろうと思ったら、英語のリスニング能力や発音を鍛える必要があります。

ぼくは学生の頃から英語の発音に興味を持ち、大学でも英語音声学を学んだので、自分の発音が通じない、ということはありませんが、「聞く」のは未だに苦手で、英語の映画や音楽を観たり聞いたりしても何を言っているのかあまり(ほとんど?)わかりません。
学生時代に通訳のアルバイトで香港に行ったとき、数日間だったのにだんだん英語が聞こえ始めた経験があり、英語圏で長期間暮らしたらもっと聞き取れるようになるのかもしれませんが。

「読み書き」の能力を「聞く・話す」につなげていくには、英語で誰かと話すのが一番手っとり早いと思いますが、普段、そういう相手はおらず、英会話学校などでお金を払って誰かに話し相手になってもらうのも昔から嫌だったので、ぼくは英語をほとんど話さないまま英語の仕事をするようになりました。通訳ではそうもいきませんが、翻訳の仕事をしている人の場合、そういう人も多いのではないかと思います。

「読み書き」と言っても、日本語を英語に訳すことは少なく、英語から日本語がほとんどなので、実際には英語は「読む」一方です。
英語で「話す・聞く」の機会を用もないのにつくろうとは思いませんが、日本語が読めなくて英語が読める人に向けて英語でいろいろ発信していきたいと最近思うようになってきたので、そのうち英語のブログも始めようかと思っています(今のところ、日本語だけで精一杯なのでしばらく先になりそうですが・・・)


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