映画「わたしの自由について 〜SEALDs 2015〜」の感想

SEALDsの活動を取材した映画「わたしの自由について 〜SEALDs 2015〜」を観てきました。





国会前でデモをし、自分の意見を堂々と述べる大学生たちの姿を見て、元気をもらうと同時に、ぼくは自分が大学生のときに何をしていたんだろうという、ちょっとなさけない気持ちになりました。

ぼくが大学生の頃といえば、ESS(English Speaking Circle: 英語研究会)というサークルに所属してディスカッションやディベートの活動で「模擬的」な議論をしていましたが、SEALDsのメンバーたちが行っているのは、いろんな世代や立場を越えた「リアルな」議論。

いろんな人の考えに触れながら自分の意見を表明したり、言葉を届けるための行動を起こしたり、そこでは、リアルな世界でのアウトプットが中心になっています。

インプットも大事ですが(映画では、SEALDsのメンバーらの本棚が、政治や哲学や思想などに関する大量の本で埋め尽くされた様子が映されていました)、それと自分の経験を材料としてアウトプットしていくことで、自分の考えがはっきりし、それに対する批判を受けてさらに進化させ、「自分の言葉」を築いていくことができるのだと思います。

SEALDsの奥田愛基さんは、「民主主義ってなんだ?」という本の中で、こう語っています。

本を読んだときに「すげぇわかる!」って思うってことは、それに近いことをデモとかスピーチの中で聞いたりやったりしてるんだなって。全然違うと思うんですよ、「ヨーロッパの古代ギリシアの人がこんなことを言ってたのか、ふーん」っていうのと、「あ、これ、スピーチで言ってなかった!?」っていうのとでは。言葉で感じるのは大事だし、でも言葉の意味性は一人一人違うし、受け取り方も違う。だったら体現しないといけない。言葉で言うのは簡単だし、これを体現するのがすげぇムズい。


民主主義ってなんだ?(高橋源一郎、SEALDs)



観てきた映画は何と2時間45分もあるのですが、あっという間でした。時系列で進んでいく映画の最初と最後で、SEALDsのメンバーたちのスピーチが進化し、立ち居振る舞いもどんどんかっこよくなっているように感じました。

SELADsの活動を見た年上の人たちから誹謗・中傷を受けることも多いそうですが、おそらく羨望の気持ちもあるのでしょう。学生時代にこれほど充実した時間を過ごした人はどれくらいいるでしょうか。

映画の最後は、SEALDsの影響を受けて、自分たちのスタイルでデモを始めた高校生のグループ「T-ns SOWL(ティーンズソウル」の映像で終わります。

こういう映画を観ると、なさけない大人のままではいられない、という気持ちになってきます。


映画「わたしの自由について 〜SEALDs 2015〜」公式サイト



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