地方に移住して「自給的暮らし」を始める前にしておくべき10個のこと


東京から香川に移住してもうすぐ3年目。東京でのデスクワーク中心の暮らしから、田畑や森など、外に出ることの多い暮らしに変化しました。なるべく機械に頼らず、自分の手足を使う暮らしを心掛けています。

「自給的暮らし」などというとちょっと大げさかもしれませんが、都会を離れ、もっと自然に近いところで暮らす場合、都会にいる間に準備できることがいろいろあります。自分自身、東京にいる間にこんなことをしておけばよかった、あるいはこれをしておいてよかった、ということを思い出しながらまとめてみました。


1. プランターで野菜や米などを育ててみる

移住先で畑や田んぼを持ちたい場合、慣れない1年目は苦労しがちなので、都会にいるうちからプランターや小さな農園などで経験しておくとスムーズに始められます。ぼくも東京の府中で8㎡の小さな畑を借りて野菜や麦を育てていて、その経験がなければ1年目から田んぼと畑を同時に始めるのは難しかったと思います。


2. 薪や炭で火を焚く練習をする

移住して最初の頃は、外で火を焚いてご飯やスープを調理していました。ぼくは子どもの頃からガスや電気の調理器具で育ってきましたが、東京にいた頃に何度か焚き火をして火に親しんでいたのが役立ちました。家の中では長火鉢で調理をすることもありますが、炭には慣れていなかったので最初は苦労しました。


3. 場所を問わずに収入を得られる仕事を見つける

ぼくは翻訳の仕事で収入の大半を得ていて、この仕事はパソコンとネット環境さえあればどこでもできるので、移住の際に仕事探しに困らずに済みました。子どものいない家庭なら、田舎で家を安く借りれば、一人あたりの収入が月10万円もあれば暮らしていけます。都会にいる間に副業として場所を問わずにできる仕事を始めて数万円稼げるようになれば、田舎に移住してから、最初はちょっとアルバイトをしながら、だんだん自分のやりたい仕事だけにシフトしていくことが可能です。


4. 「なりわい」のためにとりたい資格をとっておく

自分の好きなことや得意なことを生かして「なりわい」をつくるとき、世間の信用を得るために資格をとっていると役立つこともあります。相方が「メディカルハーブ検定」をとろうかなぁと言っていますが、近場で受験できないので、東京にいたときにとっておけばよかった、と残念がっていました。気になる資格があれば、都会に住んでいるうちにどんどんとっておくのがよさそうです。


5. 小さなソーラ—発電システムをつくってみる

東京にいた頃、「トランジション・タウン」主催のワークショップで、小さなソーラー発電システムをつくり、アパートの電灯にはこれと折り畳み式のソーラーランタンを使っていました。小さなソーラー発電システムがあれば、ケータイや電池の充電も可能で、引っ越してすぐに電気が使えない場所に移住しても安心感があります。


6. 基本的な工具をそろえて簡単な木工に親しむ

田舎暮らしでは、木材を買ってきていろいろつくれると便利でお金の節約にもなります。ぼくは移住してから、棚や椅子、コンポストトイレなどを作りました。初心者のうちから椅子に挑戦してがびがびになってしまったので、都会にいた頃から木工を始めておけばよかったと思いました。完成したものを買うのに比べて、自分でつくると半値くらいに抑えられ、ものによっては取り寄せるよりも自分でつくるほうが早いということもあります。慣れてくると、ちょっとしたものならささっと作れるようになり、生活スペースを自分好みに整えられるので木工はおすすめです。


7. 身体を鍛える

香川に来たばかりの頃、駅から自転車で家にたどりつくまでの坂を上がるだけでも息が上がり、1年目は機械を全く使わずにお米づくりをしたので来る日も来る日も鎌一本で草を刈りつづけ、体力がつくどころか、あるところを超えるとだんだん衰弱していくのを感じました。2年目は体力がついてだいぶラクになりましたが、移住して身体を動かす暮らしに入るなら、移住前から身体を鍛えておくにこしたことはありません。


8. お金を貯める

田舎に移住して質素に暮らそうと思っていても、いざ移住して、時間ができて自由になると、やりたいことがたくさん出てきて、お金があると、できることの幅も広がります。都会価格で得た収入を貯金しておけば、移住してからやりたいことがはっきり定まっていなくても、そのお金を暮らしながらひとまず自由な時間を確保し、じっくりと考えることができます。


9. 移住のストーリーを語れるようにしておく

移住してきたと人に話すと、たいてい、その理由や経緯などをきかれます。時系列で話すと長くなりすぎるし、かといって理由はいろいろあり、ひと言では話せないので毎回困り、結局中途半端にしか語れないということが多かったので、相手や状況に応じてうまく伝えられるように準備しておくと役立ちます。


10. 移住先でしたいことを思い付くかぎり書き出してみる

移住したらこれをしよう、あれをしようと、いろいろ想像を膨らませていても、いざ移住すると日々の暮らしに追われ、目の前のことで一杯いっぱいになってしまうこともあります。移住したらやりたいことを、移住前に書き出しておけば、時々それを振り返り、そうだ、こういうことをしたかったんだ、と初心に返ることができ、元気がわいてくるかもしれません。


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by 硲 允(about me)
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